春先になると「首が重い」「後頭部が痛い」「肩こりが強くなる」という方が増えます。実は花粉症は“鼻の症状”だけでなく、頚部(首)へ大きな影響を与えています。今回は解剖学的視点から詳しく解説します。
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① 鼻をすする動作と頚部筋の関係
鼻づまりがあると、人は無意識に呼吸補助筋を多用します。
本来、安静時呼吸は横隔膜が主体ですが、鼻閉があると頚部の呼吸補助筋が過活動を起こします。
主に働く筋肉は
・胸鎖乳突筋
・斜角筋(前・中・後)
これらは頚椎の横突起や胸骨・鎖骨に付着し、頭部の回旋や側屈を担う筋肉です。同時に、吸気時に肋骨を引き上げる“呼吸補助筋”でもあります。
鼻を頻繁にすすることでこれらの筋が持続的に収縮し、
✔ 頚椎前弯の減少
✔ 頚部前方突出姿勢(ストレートネック傾向)
✔ 頚椎椎間関節への圧縮ストレス
が生じやすくなります。
さらに斜角筋の過緊張は、腕神経叢や鎖骨下動脈を圧迫し、しびれやだるさを誘発することもあります。
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② くしゃみ動作と頚椎への瞬間的負荷
くしゃみは体幹に瞬間的な腹圧を発生させる反射運動です。
関与する筋肉は
・腹直筋
・腹斜筋群
・肋間筋
・横隔膜
・僧帽筋
・肩甲挙筋
くしゃみ時には胸郭が急激に収縮し、同時に頭部を固定するため頚部伸筋群が強く収縮します。この瞬間的な収縮は、頚椎椎間板および椎間関節へ圧縮力を与えます。
花粉症の時期にくしゃみが連発すると、
微細な筋損傷
筋膜の滑走不全
後頭下筋群の過緊張
が蓄積し、緊張型頭痛や頚部可動域制限へとつながります。
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③ 自律神経との関係
鼻粘膜の炎症は三叉神経を介し、自律神経系へ影響を与えます。
交感神経優位の状態が続くと、頚部周囲の血流が低下し、筋緊張が慢性化します。
特に後頭下筋群は硬膜との連結(筋膜連結)を持つため、過緊張が続くと頭痛や眼精疲労を引き起こしやすくなります。
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④ 花粉症時期に必要なケア
花粉症シーズンの首トラブルには
✔ 横隔膜を意識した呼吸再教育
✔ 胸鎖乳突筋・斜角筋の過緊張除去
✔ 肩甲骨可動域改善
✔ 頚椎アライメント調整
✔ 自律神経バランスの調整
が重要です。
症状は「鼻」から始まっても、最終的に「頚椎の機能障害」へ発展するケースは少なくありません。
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花粉症の季節に首・肩の違和感が続く方は、単なる肩こりと放置せず、早めのケアをおすすめします。
さいたま市見沼区みぬま整骨院では、解剖学・運動学に基づいた評価を行い、花粉症シーズン特有の頚部トラブルにも対応しております。
季節性の不調でお悩みの方はお気軽にご相談ください。